原博『24の前奏曲とフーガ』、ようやく、ようやく到着。

注文してから2か月弱かかりましたから。感慨もひとしお。

点描のように緻密だけど、力強さや長期に渡って愛されるようなフックには欠ける。CDから聞こえるのは相当にライトな演奏。単体として研究のしがいを感じることはないだろうし、ほかの現代音楽と同じように聞き手の理解度を試すような作り*1であるとも言えなくもない。でも、これが、『平均律』を聴いてきた人が次に求めるonly oneであることは絶対に確か*2。…まぁ買って損はないけどお蔵入りの予感をやや感じる作品でした。まだバッハでいいよな、みたいな。

↑追記。いまいち伝わりにくいですが、買わずに悶々とするよりはすっきりしたほうがいいですよ。

これが一番大事なことですが、心地よく眠れます。
寝るだけなら、この前のモンポウ(cf.http://d.hatena.ne.jp/smomo/20040823#p3)の2枚目(『歌と踊り』など)もいいかな。


追記。第2番(ハ短調)だけ前奏曲が2曲あるのはどういう意図があるんでしょうか。

*1:比類のない旋律や和音ではなくて、これはアカデミックな意味での試験なんだから、「当然ついて来れるよな?」と言われているようで。偏執的である根っこは大差ない。

*2:ショスタコーヴィチカプースチンのそれは時系列を追うためのコレクターズアイテムであって要望するものとは一致しない。