東京大学入学式、河瀨直美のスピーチ

www.asahi.com

記事の見出しが不穏です。

www.u-tokyo.ac.jp

全文が掲載されています。撮影中にカメラの向こうのおばあちゃんに触れることにストーリーを見出すくだりは「かたつもり」です。現場の温かさと、一方で環境や境遇の冷たさを同時に切り出す映画作品を私はいくつか知っています。

人間は弱い生き物です。だからこそ、つながりあって、とある国家に属してその中で生かされているともいえます。そうして自分たちの国がどこかの国を侵攻する可能性があるということを自覚しておく必要があるのです。そうすることで、自らの中に自制心を持って、それを拒否することを選択したいと想います。

ドキュメンタリーは公平さも大事な要素です。大きな戦争が小さな戦争を引き起こし、さらに大きな戦争の引き金になろうとしています。次の加害者にならないための努力が求められています。

彼女が今の加害者に対して曖昧な立場を取っていることに批判が集まっています。テロリズムが悪であることに疑う余地はありませんが、現在のロシアに対する悪意は正義と結びつきません。解決するために何をすればいいか見極めることの大事さを説いているのだと、私はこのスピーチで感じました。