ミニマルミュージック(と私)

0. ミニマルミュージックのタイプ分け

「シンプルな素材を繰り返し演奏する」のにも幅があります。繰り返す回数、音の長さを増減させる、リズムを重ねたりずらしたりする、エフェクタープラグインを使って変化をつけるなど、単純な音楽の中にどこかで差をつけることで楽曲のアイデンティティを獲得しています。

演奏者が音を出さないことで有名なジョン・ケージ4分33秒は、曲の解説を知ると、空間が持つ不確定要素を期待していることがわかります。意味が力を持ちすぎるとミニマルと言えるかの境目がぼやけてきます*1。ミニマルミュージックという冠を持ったからといって人気になったり学術的にすばらしくなるわけでもないので、各々が好きに聴いたりまとめたりすればいいと思います(これは個人の感想です)。

私がミニマルミュージックに期待しているのは、フレーズ自体の格好良さ、それから曲に抑揚がつけられていて(ちょっとだけ)盛り上がることです。

 

Ambient 1: Music for Airports / Brian Eno

「盛り上がらない」に長けたアンビエントは今回取り扱いません。隣接するジャンルとして好きなのですが、説明できるほど詳しくないです。

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1. 興味を持つ前の段階

ジャンルとして意識していなかったころに聴いたものです。

 

Batavia (Merry Christmas Mr.Lawrence) / 坂本龍一

映画の舞台がジャワ島とされていて、ガムランのような短いフレーズが繰り返される曲が採用されたのだと思います。短いので評価は難しいですが、アジア寄りでもなくルーツをぼかした曲だと感じます。

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Vexations / Erik Satie

サティは同時代の美術の影響があるほか、BGMやCMソング的なアプローチを仕掛けています。このヴェクサシオンは不安定なハーモニーを繰り返し演奏するところにテーマ性があります。弾く方も聴く方も準備と耐久力が求められます。私も改めて聞いてみましたがやっぱりよく分かりません。

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Silent Love (あの夏、いちばん静かな海。) / 久石譲

久石譲は初期の音楽活動でミニマルミュージックを取り入れたのが知られていて、本人のインタビューで何度も登場しています。そういわれればそうなんですが、彼の作品からミニマルミュージックを掘っていくのは難儀です。スローテンポならこのSilent Love、アップテンポの曲ならメーヴェコルベットの戦い(風の谷のナウシカ)が今回のテーマに似合っています。

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2. ミニマルミュージックを知る

ライヒを聴いたことで同系統の作品やミュージシャンを探すようになります。ポストクラシックだけでなく、クラブ音楽にも興味は広がります。

 

Electric Counterpoint III. Fast / Steve Reich

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Laura's Theme (Enemy Zero) / Michael Nyman

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Extra / Ken Ishii

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Tenshi / Gouryella

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3. ミニマルミュージックと私の現在

1と2が図書館、CDショップ、iPodの時代だとすると、現在はYouTubeApple Musicの時代です。これまで聞き逃していた曲を掘り起こしてくれるのは頼もしいです。その一方、これまで私が知識として積み上げてきたものが無力化していくようで悲しくもあります。

 

Mishima/Closing (Mishima: A Life In Four Chapters) / Philip Glass

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On The Nature Of Daylight / Max Richter

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4. 補足

リストに押し込めなかった曲の名前だけ書きました。こちらは増えたり減ったりする可能性があります。

Moments In Love / Art Of Noise
Strings of Life / Rhythm Is Rhythm (Derrick May)
Goldwrap / e.s.t.
Curious Child / 竹村延和

*1:最小の力で最大のパフォーマンスを得るという部分においては成功しています。