言語化に感心しました。短期決戦であれば腕力や知力や何かしらのエネルギーの強さで勝負が決まるかもしれません。しかし、戦争、政争、裁判、開発競争のような長期戦は力だけでどうにかなるものではありません。目標、役割分担、経済力、世論の共感、協力、運など様々なものが必要で、そのなかでも世代継承がうまくいくかは必須事項です。
幻影旅団の「グループ>メンバー」というイデオロギーは理想的な手段ですが、作中で彼らの目標に近づいている気が全然しません。
一方、作品全体で見ると当初の中心人物だったゴンが退場しても上手に話が進んでいます。趣深いです。
幻影旅団を王位継承戦やカキンマフィア、それ以前でのゾルディック家、キメラアント、十二支んと対比して創作しているのは私も断言できます。しかし作者が本当に伝えたいのが組織のあり方だとは考えづらく、それはもっと原初の部分にあると思っています。想像することや行動することの楽しさだったり、守る強さです。締め切りから解放された強さや脆さを作品に投影しているのだとしたら、焦らずやってくださいとしか言えません。